第22回 スタート地点でのワクシング

 

今回で大会編は最後になります。

今回のテーマはスタート地点でのワクシングということで、

大会で行う最後の板の仕上げ方について解説します。

 

前日に板を仕上げてしまう場合は特にやる必要はないのですが、

前日に板を仕上げない場合は、前日にワックスを厚塗りしておく必要があります。

そして、大会当日に持っていくのはスクレイパー、ナイロンブラシ、馬毛ブラシ、

トイレットペーパー、スタートワックス、コルク、ストッキング、

流れ止めを固定するゴム、そして持っている人は

最後の仕上げ用のフィニッシュクロスを持っていきます。

 

まずやることは流れ止めの固定です。

そして、スクレイパーでワックスをはがします。

ここで入念にワックスを落としておきましょう。

次にナイロンブラシで更にワックスを落としていきます。

最後は馬毛ブラシでワックスを落とします。

ワックスを落とす時には滑走面に雪がなるべくつかないようにします。

それは、外気温が寒い時に滑走面に雪がつくと、

ブラシがけなどで起こる摩擦熱で雪が溶け、

それが外気温で凍ってしまい、滑走性が下がってしまうためです。

 

完全にワックスをはがしたら、スタートワックスを塗ります。

スタートワックスはスタート直後の滑走性を著しく高めてくれるワックスで、

塗ってもわずか10mくらい滑っただけで落ちてしまうので、

スタートワックスを塗ったらスタートハウスでスキーをはくまでは絶対に履いてはいけません。

 

スタートワックスはローカスが部で保有しているのはホルメンコール社の物で、ペースト状になっています。

小さいビンに入っているので、そこからストッキングで少しとって滑走面に塗りこんでいきます。

滑走面全体に塗ったら、コルクにストッキングを巻きつけて、思いっきりすり込みます。

こすって摩擦熱を発生させてすり込ませるのです。

とにかくこのすり込みに時間をかけます。

こすった感覚がなめらかになるまでこすります。

何度もこすると、だんだんと感覚が変わってくるのでわかると思います。

 

スタートワックスを塗ったら、最後にフィニッシュクロスをかけます。

これはただ拭くだけなのでたいした作業ではないですが、

滑走面にある余分なワックスの粉をふき取ることで、多少でも滑走性が良くなるようにします。

また、フィニッシュクロスには滑走面の静電気をとる作用があるので、

雪が滑走面につきにくくなり、滑走性が上がると言われています。

これは管理人はよくわかりませんが・・・

 

全ての作業が終わったら、滑走面に雪をつけないように横向きに置いて、しばらく板を冷やします。

板を冷やすことで、雪がスキーにつきにくくなるので、これまた滑走性が上がります。

 

スタート直前、もう一度フィニッシュクロスをかけて仕上げます。

そして板を履いたらその場で板を前後に動かして雪に板をなじませます。

あまり何度もやってしまうとスターとワックスが落ちてしまうので、

数回板の滑りを確認したら板の仕上げは完了です。

あとは第19回に書いたとおり、集中する時間に使いましょう。

 

次に、1日に2本滑る大会の場合を考えます。

1日に2本滑るときは、それぞれ滑る前に上記の作業を行います。

1本目は上記の作業をそのまま行いますが、

2本目のときはいきなりブラッシングから始めて大丈夫です。

その後は同様にスタートワックスを塗ります。

 

1本目でブラッシングしてしっかりはがしたのに2本目でまたブラッシングするのはなぜでしょうか?

それは、スキーの内部に染み込んだワックスがまた染み出てくるからです。

しっかりワクシングしてあるスキーならば、

ワックスがどんどん染み出てくるので、ブラッシングしてあげる方がよく滑ります。

ワクシングしてないのは・・・

問題外ですね。

 

余談ですけど、しっかりワクシングしてあるかどうかは、

管理人は滑走面を見ただけですぐわかります。

去年サボっていた人もわかってますから。

そういう人は大会では使いたくないので。

今年はちゃんとやってね。

 

と言うわけで今回で大会編はおしまいです。

次回は陸トレからテーマをもらったのでストックワークについて解説します。

 

 

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