第19回 大会スタート前の過ごし方

 

今回は大会での時間の使い方など、管理人が大会の時に行っていることを中心に紹介します。

ただ、これは人によってやり方が異なるので、絶対にこれでなければならない

と言うわけではないので注意して読んでください。

 

まず、大会はだいたい朝9時〜9時半にはレースがスタートします。

そしてほとんどの大会で、レース開始の5分前に前走がスタートし、

さらにレース開始1時間〜30分前にはコースインスペクションが行われます。

 

レース前に行う作業で一番大切なのがコースインスペクションです。

これはコースの下見をして、自分の滑るイメージを固める大切な時間です。

もうすでにこのときからレースは始まっています。

コースをじっくり見ることのできるのはこの時間だけなので、

集中してコースのポイントや雪質、ゴールの赤外線の高さなど、

コース内のありとあらゆるものを確認します。

最初は多分何を見ればいいのかわからないと思いますが、

その話は次回に持ち越そうかと思います。

 

小さい大会でない限り、レース開始直後に自分の順番が回ってくることはありません。

SL、GSはたいてい選手間のインターバルが30秒と決められているので、

自分の出走順÷2をした数字が、レース開始後何分後に自分の順番が来るかと言うことになります。

この自分の出走順までの時間の使い方次第で、

集中してレースを迎えることができるかできないかが決まります。

 

管理人の場合は、前日にスキーを仕上げてしまうことが多いので、

スタート付近でワクシングすることはあまりありません。

スタート付近でワクシングする場合はだいたいワクシングに20分かかるものとして計算します。

 

ここからは管理人の時間の使い方です。

参考までに読んでみて下さい。

管理人はスタート30分前(ワクシングするときは45分前)にスタートに行くようにしています。

そこでやることは、まず体操です。

これにだいたい5〜10分かけます。

充分に身体を温めて、全身の血の巡りをよくします。

 

次にストレッチです。

ストレッチにも同じくらいの時間をかけます。

この時同時に筋肉が硬直していないかを確かめて、

硬くなっている部分にはマッサージをして筋肉を充分にほぐします。

この時点でだいたい15分前であることが多いです。

 

そのあとは、管理人の場合はレースの様子を見に行きます。

スタートから見える範囲でコースの状況を確認して、

それをもとにコース全体がどのような状況になっているのかを予想しておきます。

これにだいたい5分くらいかけ、スタート10分前にはオーバーパンツを脱いで、

ヘルメットをかぶって、あとはスキーの結束を解いてウェアを脱ぐだけの状態になります。

 

ここからは一人の世界に入ります。

スタート5分前にはスタートハウスに行くので、

そこまでは緊張感を持ちながらコースがどういう状況なのか、

自分の精神状態はどうなのかを冷静に受け止めて、よい滑りのイメージを固めていきます。

 

そしてスタート5分前には、ワンピースになり、

ゴーグルもかぶり、ストックを持ち、バックルを締めて、

スキーを履いて完全にスタートできるように準備します。

ここでもう一度行うのは簡単な体操とマッサージです。

もう一度体中に血を巡らせて、筋肉の緊張を解き、

身体にこれから運動することを言い聞かせます。

 

そしてもうひとつは心拍数のコントロールです。

人間が一番集中力を発揮できるのは100〜120拍/分程度だと言われています。

緊張すると心拍数が異常に高くなってしまうので、

目をつぶって落ち着き、ストックを思いっきり握って10秒キープしながら息を止める

という作業を3回程度行います。

これを行うのがだいたい出走3分前です。

すると、心拍数が下がって急にすごい集中力が発揮でき、

スタートに立ったときにはうまく開き直ってレースに集中できるのです。

 

スタートに立ったら慌ててストックをつかないで、

10秒前の合図までは目をつぶって深呼吸し、

よい滑りのイメージだけを固めます。

目をつぶるのは自分の直前で転んだ人を見て嫌なイメージを持ちたくないからです。

スタート10秒前の合図で、目を開いてストックをついて、

一気に脳の興奮度を高めて、自分のタイミングでスタートします。

 

ここまで管理人のスタート前を書いてきたのですが、

一番大切なのはレースで最大の集中力を発揮すると言うことです。

その集中力の発揮の仕方はひとそれぞれであると思います。

ぜひ自分なりの集中の仕方を発見してください。

 

それでは次回は文中でもあったとおり、

コースインスペクションのやり方について書こうと思います。

 

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