第9回 目線が滑りに与える影響A

 

今回は(1)のずっと下を見てしまうパターンの解説をしようと思います。

自分の脚の動きに注目が行ってしまうときはよくこの状況に陥ります。

よく管理人は前を見て滑れと言いますが、

これはこの話に直結する部分ですので理由を知りたい人はぜひ読んでみてください。

 

(1)のパターンは、実は最も多いパターンにあたります。

実際にスキー場でもよくこう言う滑りをしている人を見かけます。

さて、なぜこのパターンはよくないのでしょうか。

それは、下を見ることで背中が丸まってしまうことに原因があります。

 

背中が丸まってしまうと、その丸まった状態に引きずられて腰が引けたポジションになります。

骨は繋がっているので、目線に起こった変化は体中の骨に影響を与えるからです。

この腰の引けたポジションのことを、普通は後傾と言う一言でくくってしまいます。

自分では後傾になっているつもりはないのに後傾だとか、

背中を丸めて滑るな、とよく言われる人は目線が下になっている可能性が非常に高いです。

また、目線を上げろと言われる人は、後傾だとも言われているはずです。

 

この腰の引けた状態だと、ターン前半でスムーズに落下することができません。

脚の動きの範囲が狭くなり、骨盤周りの動きが窮屈になるのでこのようなことが起きます。

また、後傾になっているとターン後半で太ももが寝てしまいます。

太ももが寝てしまうと、それだけ太ももに力を入れて滑らなければならない分、

力を無駄に使ってしまいます。

また、パワーポジションを作ることが出来ないので、

効率的に雪面に圧を与えてあげることが出来ません。

 

ターン後半に後傾になってしまうと、頭の位置が次のターンの内側にシフトできません。

そのためにエッジがなかなか切り替わらず、スムーズなクロスオーバーができません。

切り替えでは普通次のターンの内側に身体を落とし込みながら切り替えるのですが、

後傾によってこの動きが出来なくなってしまうのです。

これらに対応するために、スキー操作が膝下のみの動きになってしまい、

必要以上に腰を大きく内側に入れると言った悪循環に陥ってしまうのです。

 

この背中の丸まったポジションはカービングターンをする上では

あまり効率的なポジションとは言えません。

これは骨盤の寝ているポジションと呼ばれるものです。

(数人の中ではしょんぼりポジションとも呼ばれていますが・・・)

 

次回は(2)の頭を傾けてターンの内側を見るパターンについて解説します。

 

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