第10回 目線が滑りに与える影響B

 

続いて今回は(2)の頭を傾けてターンの内側を見るパターンです。

ローカスに多いパターンの2つ目です。

何がいけないのかを見ていきます。

 

このパターンはよく内倒と言われる滑りになります。

頭を傾けるのは当然ターンの内側になります。

だからそれにつられて肩のラインが内側に傾いてしまいます。

それによって上体が内側に傾いてしまうので、内倒になってしまいます。

これなんかがこのパターンの例ですね)

 

内倒してしまうと、外スキーに力が伝わりづらくなるのでターンのコントロールが難しくなります。

内倒の一番いけない部分はここになります。

本来ならば外スキーに圧をかけることでバランスを保つのですが、

外スキーに圧がかからないのでバランスを取ることも難しくなるのです。

 

人間の足は左右で普通ならば同じ長さですから、

内倒してしまうと内足に重心が移ってしまうことがわかると思います。

いくらターン中は遠心力を受けているからと言っても、

そのバランスは非常に微妙なところでつりあっている状態で、

内倒しない方が安定した状態であると言う事が言えます。

 

頭を内側に傾けてしまうことのいけない部分はまだあって、

頭の位置を前のターンの内側から次のターンの内側へ

大きく動かさないとターンを始動できないのです。

大きな動きになると、切り替え自体に時間がかかってしまいます。

 

さて、実際には(1)と(2)の融合した滑りが非常に多いです。

頭をターンの内側に傾けて下を見ながらターンするパターンです。

これは下を向いたまま自転車のハンドルを切るようなことになり、

次の行動を起こすことができません。

また、自分がこの状態でターンしているなら、

目で得られる情報を全て得ずに感覚で滑っているようなものになります。

 

いままで(1)と(2)の解説をしてきましたが、

これらのパターンにメリットはありません。

デメリットばかりです。

これら2つのパターンどちらかに該当する人は技術的な運動要素を学ぶ前に

視界を広く持ってこれから自分が移動する空間をイメージできるようになることが先決です。

 

次回は(3)のターンの外側を見すぎるパターンについて解説していきます。

 

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