第7回 苦手ターンに隠された秘密

 

さて目線のシリーズ2回目は、苦手ターンに隠された秘密と題して考えます。

苦手ターンと目線との関係?と思う人も多いでしょう。

しかし、そこには密接な関係があるのです。

今回はそんなところに焦点を当ててみます。

 

人間にはほとんどの人に右利き、左利きと言ったように、

左右どちらかの手や足などを得意としています。

これは目でも同じことが言えます。

人間は必ず左右どちらかの目を利き目としているのです。

 

自分の利き目を知っているでしょうか?

知らない人は簡単に調べる方法があるのでやってみてください。

まず、両手を前に伸ばして、両手の親指と人差し指で三角形を作ります。

そして、その時にその三角形の中に見えている物を覚えてください。

次に、それを片目で見てみます。

どちらかの目は、両目で見ているのと同じ状態に見え、

もう一方は両目で見ているのと見えている場所がずれてしまっていると思います。

両目で見ているのと同じ状態に見えるほうの目が自分の利き目になるのです。

 

さて、自分の利き目がわかったところでなぜ苦手ターンと目線が関係あるのかを考えます。

ここからは左目が利き目の人を基準に考えますので、

右目が利き目の人は左、右を入れ替えて読んでください。

左目を主体にするのは管理人が左目が利き目だからです。

深い理由はありません。

 

はい。

利き目が左の人は、正面を見ているつもりでも、左目が先行して視界をとらえようとします。

そのため、視覚的に右方向に身体を動かしやすいバランスにあると言えます。

これはなぜかと言うと、前回解説したように、左目が先行した状態、

すなわち顔が右を向いている状態では、身体は全体的に右を向いているからです。

逆に、左方向に対しては視界が狭くなっているので動きづらいのです。

 

利き目が左の人は右方向に対して広い視界を持っているため、

左ターンから右ターンへの切り替えが得意になります。

これは、まっすぐ前を見ているつもりでも、身体が微妙に右方向を向いているからです。

前回述べたとおり、右方向を見ていると言うことは、

右側の空間の情報を得やすいのです。

ターンを切り替えた先の情報を得やすい、

つまりそれが得意な切り替え方向になるわけです。

 

また、左目が利き目の人は右ターンは深回り、

左ターンは浅回りになりやすいという傾向にあります。

これも身体の向きが関係していて、ターンの内側を向きやすい右ターンでは、

ターン前半で自然と内向しているので、ターン前半の身体の方向が自然と正しい方に向き、

ターン自体も左ターンより深い弧が描けるのです。

左ターンでは逆にターン前半から自然と外向してしまうので、

正確な重心移動が行いにくく、ターン弧も浅めになってしまいます。

また、自然と右ターンの方を引っ張ってしまいやすくなるので、

右ターンの方が深い弧になるのです。

 

ここまでの解説を読んだ人はわかると思いますが、

左目が利き目の人は、左ターンの山回りから、切り替えて

右ターンの谷回りまでが得意なターンとなり、

逆に右ターンの山回りから、切り替えて

左ターンの谷回りまでが不得意になるのです。

これはフォールラインに身体を向けると言うスキーの鉄則からもわかることだと思います。

 

今回は利き目と言うキーワードをもとに、苦手なターンに隠された秘密を考えました。

次回からは、目線が実際の滑りに与えるメリットとデメリットについて数回に分けて考えます。

 

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