第18回 回旋動作と内力

 

さて、回旋動作と内力がテーマですが、

早い話、回旋動作とは内力そのものになると考えてもらっていいです。

回旋動作と言うのは、スキーを自分で操作しない限り生まれない運動です。

だから回旋動作は内力そのものであるのです。

 

さて、回旋動作はショートターンで現れることが多い動きです。

ロングターンやGSでは管理人はラインの調整にはよく使いますが、

実際に意識的に使えているかというと、あまり使えていないと思います。

もちろんビデオを見れば使っている場面は多くあるのですが、

実際に自分の意識の中にはあまり使おうという意識はありません。

 

ビデオから見てとれる管理人の滑りの中での回旋動作は、

特にターン前半で多く現れていると思います。

スキーのトップを雪面に食い込ませるような動きは回旋動作にあたります。

ロングターンで管理人があまり回旋動作を意識しないのは、

ターンのリズムが大きいために回旋動作自体がゆっくりになり、

意識しにくくなってしまうためだと思います。

 

とまあ意識のないロングターンの話はできないので今回はショートターンのことについて考えます。

ショートターン、すなわちSLでは、管理人の能力では、

フルカービングでコースを滑ることはできません。

絶対にオーバースピードでコースアウトしてしまうと思います。

このスピードコントロールを本当なら前回紹介したような方法でできればよいのですが、

なかなか難しい技術なので、管理人は確実性を求めて昨シーズンはひねりを使いました。

本合宿編のSLその1の動画を見ると管理人がひねりを主に使って滑っていることがわかります。

 

ひねり動作を使う利点その1は、ターン弧の大きさを調整しやすくなることです。

ひねり動作を行うと、スキーの方向付けをしやすくなるので、

ターン弧の調整は非常にやりやすくなります。

その2は、急な斜面でもスピードコントロールが容易であることです。

これは、ずれをともなうターンをしやすいので、スピードコントロールが楽になるためです。

 

管理人がひねり動作を使うときの感覚は、とにかくトップを雪面に食い込ませることです。

これ以外にはあまり意識的には行っていません。

と言うのは、あまり回旋動作を行うとずれが多くなりすぎるためです。

当然ずれなければブレーキ要素が少なくなるので、

絶対的なスピードは速くなります。

 

ここまでくると、どのような時にひねりを使うかがわかってくると思います。

自分がコントロールできる範囲にスピードは置かなければならないので、

自分にとってスピードの次元が高くなりすぎるような時は、

ひねりを使うと楽にスピードを落とすことができます。

そのほかにも、深いターン弧を要求されている場合など、

スキーの回転性能を上回るような弧を描く場合にもひねり動作は必要になります。

 

ただ、ひねり動作を利用した滑りをすると、

ターン後半に身体がつまってしまうような動きが起きてしまいます。

このつまった動きが起こると、切り替えに時間がかかってしまうので、

この詰まった動きがなるべく少なくなるようにひねり動作と、

外力を使う部分とをコーディネートする必要があると思います。

 

と言うわけでひねり動作を主に解説してきましたが、

とにかく一番大切なのはひとつの技術に固執しないことです。

スキーは状況によって様々な滑り方が存在して、どれもが正解であるのです。

これが答えであると言うことはありません。

基本となる動きを習得すれば、どんな滑りをしようと滑れればかまわないわけです。

ですから、色々な雪の状態に合わせて、自分なりに滑りを変えて、

その斜面で一番よい滑りができるように滑りの引き出しを多く持てるようにしましょう。

 

次回は技術的な内容を離れて、大会のお話をしようと思います。

特に1年生に読んで欲しいかなーと思います。

 

 

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