第17回 ターンの局面における荷重

 

荷重の2回目は、ターンのどこで荷重をするのかと言うことです。

大きく分ければターンの前半、中盤、後半と3箇所ありますが、

どこでどのようなイメージを持っているのでしょうか?

 

管理人の場合は、外力を主に使って滑る場合はターン前半に荷重しません。

ターン前半はとにかく角づけをしてあげて、スキーに圧がたまるのを待ちます。

そして中盤にかけてたまってくる圧に負けない程度に荷重し、外力とのバランスを保ちます。

ターン後半では次のターンへの切り替えを準備するので、なるべく荷重時間を短くします。

これが管理人が外力を主に使ってフルカービングで滑る時の感覚です。

 

次に内力を使う場合ですが、内力を使うのは主にターン前半になります。

ターン前半でスキー板をしならせるために角づけとともにある程度荷重して、

スキー板に圧をためこむような運動をします。

ターン中盤から後半にかけては内力をあまり使わないで

外力を使う場合と同じような操作をします。

これが管理人が内力を使ってフルカービングで滑る時の感覚です。

 

さて、ここまではフルカービングすることを前提に話してきたことがわかったでしょうか?

前回のお話もカービングを前提としたら外力を主に使うということだったんですね。

これが実はすごく重要であるのです。

外力を使う滑りと言うのは、解説してきたとおり、

とにかくカービングスキーの特性をうまく引き出すことのできる滑りです。

カービングスキーの特性を引き出した結果現れるのは、

必然的にカービング要素の強い滑りになります。

逆に、内力をうまく使わないとカービングスキーはずれてくれないのです。

つまり、カービングスキーをはきながらターンがずれてしまう人は、

不必要な力がスキーに伝わってしまっているのです。

 

では、なぜ内力を使うとスキーはずれてしまうのでしょうか?

今回は荷重がテーマですので、荷重に関する内力の話をしましょう。

ただ、これはスキーに対して垂直に荷重していることを前提にお話します。

 

主に荷重によってターンがずれるのは、外力よりも荷重のほうが強くなった時です。

荷重のほうが強くなった時、スキーはトレースする弧よりも外側に押し出されるので、

スキーは横ずれを起こしてしまいます。

外力を使って滑っているときに、この横ずれがターンの中盤で起こると、

それは外力を使ったスピードコントロールの方法であると言われます。

特に急斜面をカービング要素の強い滑りをしたいときには有効な技法です。

急斜面ではこのようなスピードコントロールをしないとただ暴走してしまいます。

 

ただ、一般的に陥りやすいのはターン後半に圧がたまりすぎてしまう現象です。

前述の通り、ターン後半は切り替えの準備にあたる場面なので、

圧はためるのではなく解放していく時なのです。

この場面で圧がたまってしまうと、スキーは横ずれを当然起こしますが、

今度は斜面に対して下向きに力をかけることになるので、

スキーが綺麗にずれないでエッジがかんだりかまなかったりと

いわゆるたたかれると言う状況になるのです。

ターン後半には、得られる外力が少ないのに、

それよりも荷重量が多くなってしまうとこのようなことが起こります。

 

これでわかるとおり、外力を使って滑るとき、すなわちカービング要素の強い滑りをする時に

スピードコントロールをするには、ターン中盤の荷重量を調整してやることで実現できます。

ただ、これを内力と位置づけるのは違ったニュアンスを含んでしまうのでやめましょう。

荷重に関する内力の定義は、自分からスキーにしなりを与える動作とするのが適当のように思います。

 

さて、2回にわたって荷重をキーワードに内力、外力を考えてきました。

次回は、ここに回旋というひねりの動作が加わった時に、

内力の使い方はどのようになっていくのかを考えようと思います。

 

 

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