第14回 シーズンイン直後の過ごし方

 

さてさて長い長い目線のお話を抜けて、

今回はがらりとまたまた内容を変えてシーズンインの過ごし方について書いてみようと思います。

 

皆さんはシーズンインにいつも何をするでしょうか?

まあ大方の人はいきなりガンガン滑るでしょうね。

しかも小回りも含めて好き勝手に滑っていることでしょう。

しかし、シーズンイン直後はもっと基礎的な部分を固めなければならないのです。

 

野球選手を考えてみましょう。

野球選手は冬のオフ期間を抜けると、必ず自主練習を経て

キャンプ、ペナントへと入っていきます。

自主練習初日からいきなり投げ込んだり打ち込んだりする選手はいません。

まずは走り込み、身体を作ってからキャッチボール、素振りを経て

ようやく思いっきり投げたり打ったりできるわけです。

 

これはスキーでも全く同じことが言えます。

最初からいきなり家を建てても土台がないとすぐ倒れてしまうのです。

まずは土台を広げることをしないと、上には立派な家は建たないのです。

 

ではスキーで言う土台とは何なのでしょうか。

スキーで言う土台とは、ポジションであると言えます。

前傾、後傾と言ったように、スキーには前後のバランスをとるのが非常に難しいスポーツです。

この前傾、後傾を解消して、よいポジションを作ることが技術を積み上げる土台になるのです。

 

それでは実際にシーズンインしてからどうやって土台を固めて行くのでしょうか。

土台を固めるのには、スキーの基本であるロングターンから始めます。

この時に、思いっきり前傾させてみたり、思いっきり後傾にしてみたりして、

その時にスキーが思ったとおりに動かないことを確認するのです。

思いっきり前傾させると、必然的にテールが浮き上がるので、

ターン中にテールが左右に振られてしまい、思ったようにターンできません。

逆に思いっきり後傾になると、トップが今度は軽くなるので

ターンしようとしてもなかなかターンが始まらないといった現象が起こります。

これらの割合を少しずつ弱めて行って、

最もバランスのとれたポジションがセンターポジションとなるのです。

 

これらの作業を本当は12月前までに行うのがベストであると言われています。

ただ、学生である以上なかなか難しいと思うので、

各個人で冬合宿前に一度フリースキーを行ってポジションの確認をしておく必要があると思います。

ここでポジションを作っておくと、そのシーズンの成長度が飛躍的に上昇するはずです。

 

ポジションを矯正したら、次に自分がどのような滑りを今シーズンするかを考えて矯正していきます。

この段階は12月の冬合宿にあてると良いと思います。

1週間ほど同じ事を繰り返し行っていれば、少なくとも1つくらいは身体に染み付くはずです。

その際に有効になるのがバリエーショントレーニングと呼ばれるものです。

第13回にバリエーショントレーニングについて解説してあります。)

この時期にそのシーズン自分がどのような滑りをするのかを固めることで、

そのあとは自分の滑りに技術を肉付けしていくだけでよくなるので、

非常に効率よくスキーが上達していくのです。

トレーニングの種類については、個人個人違ってくるのでここで書くことはできませんが、

どのような滑りを目標とするか、どのような滑りを矯正するかによって、

様々なトレーニングが用意されているので、雪トレに詳しくは雪上で聞いてください。

 

と言うわけで今回はシーズンインに何をするべきなのかを解説してきました。

これを参考によいシーズンを迎えてください。

次回はまた内容を変えて、内向と外向の使い分けについて考えます。

 

 

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