第28回 スキー板の特性

 

今回は少し技術的なことを離れてスキー板の特性について考えます。

特性と言っても大げさなことではなく、スキーの個性が出る部分について書いてみようと思います。

 

スキー板を選ぶ時に皆さんはどんなことを基準に選ぶでしょうか?

管理人は必ず試乗して、そのときにフィーリングのよかったものを選びますが、

そうそう試乗する機会は多くありませんし、板が折れてすぐに欲しいとか、

試乗できないことだって多くあるはずです。

そう言った時に役立つ板の特徴のつかみ方を教えましょう。

 

まず、スキー板の特性を最も出すのはラディウスです。

当然ラディウスが小さければ小さいほど、カービングしたときに小回りがしやすくなりますし、

大きければ大きいほどカービングすれば大回りになります。

現在のSLのスキーでだいたい9〜12m、

GSだと17〜23m、SGだと30m、DHで40mくらいが普通です。

基礎の板であれば小回りを重視したもので8〜12m、

大回りを重視したもので16〜20mぐらいであるのが一般的です。

最近のスキーはマテリアルに左右される部分が多いので、

競技や種目によって板を変える人が大半です。

 

次にあげられるのが長さです。

長さは滑る人の脚力や体重、身長、目的の滑りによって様々ですが、

一般的にはSLで150〜165cm、GSで175〜190cm、

SGで185〜210cm、DHで200〜230cmであります。

岩岳に出ている学生のトップはだいたいこの間に収まっていると思います。

基礎の場合は小回り種目で155〜165cm、大回り種目で175〜190cmくらいが普通だと思います。

板の長さは滑り手の技術や好みによってもかなり変わるので、

ここで紹介したのは一般論ととらえてください。

 

普通の人はだいたい上2つの情報を頼りに買ってしまうことが多いのですが、

実際に滑っているときにフィーリングが最も変わるのはフレックスとトーションです。

フレックスが柔らかいと、滑ったときに板がたわみやすく、

板のラディウス以上に曲がることができます。

しかし、フレックスが柔らかいと、大きな弧を描くのが難しくなり、

自分の想像以上にスキーが回転してしまいます。

逆にフレックスが硬いと板がたわまないのでスキーが直線的に滑るようになりますが、

回転弧を調整するのが難しく、ラディウスより小さい弧を描くのが難しくなります。

トーションは柔らかいとスキー操作が楽になります。

自分の思った通りにスキーをずらせるので非常にコントローラブルになります。

しかし、高速でのカービングターンでは雪面にエッジが食いつかなくなって、

ずらしたくないのにずれてしまうことが多くなります。

逆にトーションが硬いと、高速でもスキーがよく雪面に食いつくので、

カービングターンを行いやすくなります。

逆に自分がずらそうと思ってもなかなかずれてくれないので、

少々扱いにくいスキーになります。

アルペンレースの板は、近年フレックスが柔らかく、トーションが硬いと言うものが主流になりつつあります。

管理人もこのタイプの板が最も好きです。

フレックスとトーションは、スキー全体に対してみることもありますが、

トップとテールを重点的に見ることで、より性能がわかります。

これらの部分のフレックスとトーションが、

そのスキーのフィーリングを変えていると言っても過言ではありません。

 

管理人は現在3台のスキーを所有しています。

1つ目はGS用、2つ目はSL用、3つ目はオールラウンド用です。

SL、GSの板は両方ともフレックスが柔らかく、トーションの硬い板を使っています。

3つ目のオールラウンドの板と言うのは、大回りも小回りもコブも深雪も滑れるようなスキーです。

タイプはフレックスもトーションも柔らかくも硬くもなく、

長さもラディウスも大回りと小回りの中間のような板です。

これは全ての項目を満遍なく満たしていなければならないので、

非常に難しい選択になります。

逆に言えばどれをとっても中途半端と言うこともできますが、

こう言う遊びの板を1台持っているおかげで、

ガンガン色々な斜面を滑ることができ、スキーを楽しめるのだと思っています。

だから管理人的にはこの板は結構重要な役割を担っているわけです。

 

だいたいこれらのことを見ておくと、

まず間違った板を選択することは無いと思います。

何はともあれ一度スキーを手にとってしならせてみたり、ひねってみたり、

お店に置いてある板を片っ端からやってみましょう。

結構違いがわかるはずです。

あと、店員は積極的に使いましょう。

まあ無知な店員はいますがそういうのは無視で・・・

 

 

前へもどる次へ